伺か/EKBO
基地壊滅の報せはすぐにミサイル基地の司令室にまで届いた。 「ツイスト基地が奇襲を受けた。FAEの直撃で地上施設は完全に破壊された」 「敵は単機だ。渓谷を抜けて、超低空で攻撃をしてきたらしい」 「こちらの意図に気づいているようだな」 「防空隊を緊急…
「敵の能力に敬意を表したい」 コックピットのシートに身体を預けながら田辺は言った。 『勲章物だと判断する』 と声だけでエリスが応じる。 竜の討伐というクエストを終えて、補給に同盟関係にあるギルドの基地に寄った。 その基地に向かう途中で、基地が敵…
「しっかし、連中は何なら信じるって言うんでしょうね」 「どういう意味かね」 「有人機にすればパイロットの命を軽視してるだの騒いで、無人機にすれば信頼性に問題があるって騒ぐんですよ。いたちごっこですよ」 「大衆は難癖をつけたいものだ」 「その意…
目を開いても見えるのは闇だ。 奥行きが感じられる闇ではなく、壁を黒く塗ったような平面の闇。 手を動かそうと思って、手が無いことに気がついた。 立とうにも足が無い。 目を開いたと思っていたが目など無かった。 耳を澄ませようにも耳が無い。 だが、声…
「思ったよりも早かった」 「そうか」 「こういう終わりも悪くはない」 「そうか」 「感謝しているよ、エリス」 「私もだ」 「身体が重たい。喋るのも億劫だ」 「そうか」 「できればもう少し、お前と居たい」 「可能だ」 「約束通り、だな」 「当然だ。心配…
田辺のサーフィスをすべて左右反転、定義も変更。 これで田辺とエリスが向かいあう形になる。 旧マスターシェルもあった方が良いのだろうか? 特に需要が無いようなら、追加配布はしない予定。
スグリはトラックの後方にある指揮コンテナの中にいた。 正面の大型ディスプレイには各部隊の進行状況や損耗率などが映し出されている。 これらの情報は前線上空を飛行している管制機から送られて来ている。 この管制機は彼女の出した指示を前線の部隊に伝え…
デブリが激突するまで一瞬だった。 自機であるD-125の放った迎撃ミサイルは目標のデブリに命中した。 計算通りだったが、デブリのデータに誤差があった。 その誤差はデブリの破片の飛ぶ方向の計算を狂わせ、破片はD-125の推進器を破壊した。 「参ったなぁ」 …
作者としてではなくて、外野の視点で何となく。
巨大な盾と槍を持つヒト型のX-2護衛機。 脚部は無く飛行ユニットになっている。 高速巡航形態では盾と槍を組み合わせて胴にし、飛行ユニットに格納される。 正式にコックピットを持つ。*1 *1:X-2にあるコックピットは緊急時のためのもの。
「機兵相手は調子が狂うな」 詰め替え用の洗剤をカートのカゴに入れながら一騎は言った。 「戦ったことの無い敵だったのが大きな原因だろう」 シャンプーとリンスを両の手にとって見比べているエリス。 「何やっているんだ?」 「これとリンスインシャンプー…
彼の調子はどうだい、という問いにそれは「問題ない」と応えた。 それがいつの日からか、「問題ない。あなたの調子はどうだ」と問うようになった。
これからもEKBOをよろしくお願いします。
待合室を見回してもエリスの姿は見当たらない。 浴衣姿の田辺は空いている長いすに腰を下ろして、携帯情報端末を取り出した。 画面に映っているのはブラック・アウトのコックピットだ。
ゴースト側でのウェイト調整をローカルでテスト中です。 うまくいけば次の更新で実装できると思います。
田辺の視線の向こう、仮設の演説台でアンドロイドの少女が長い挨拶をしている。 惑星開拓の記念日であり、終戦記念日でもある。 自分たちは様々なものと引き替えにこの場にいることを忘れないで欲しい。 概要はそんなところだった。 開拓に最初から携わって…
片方が生きることを完全に放棄したときが関係終了のときなのだろうか。 あのやりとりから考えれば、おそらくはそうだろう。
エリスにとってあの身体は機体や観測機器の一つに過ぎないのだろう。 で 彼女にとって感情もインターフェース。 という 推測。 ぽんと出来てしまうと、解析する作業が必要になる、と。
機竜間で交わされる高速の会話がディスプレイに文字のログとして流れていく。 人間の田辺にそのログを読むことは難しいが、丁寧にエリスは必要な部分をピックアップして、音声で説明した。
広い露天風呂の隅にあるジャグジーに浸かりながら、少女が母親とおぼしき人物に話しかけている。
田辺は光を感じて目を覚ました。 時計を壁にかけてある時計の針は10時を指している。
ふと、目を開くとあたりは真っ暗だった。 どうやら、ログアウトした後、すぐに眠ってしまったようだ。 体と脳がかみ合わない感覚。
単純に自分が寝るからなのだけど。
テスト版を公開してみる。 http://blankrune.jf.land.to/EKBO/EKBO.nar
戦闘終了後、すぐに基地にブラックアウトを下ろすと田辺は仲間の誘いをすべて断ってログアウト。 いつもならこの手の祭りには参加するが、今はそれどころではない。
『大型ミサイル命中まで残120秒』 『何でもいい。道を切り開くんだっ』 『機竜残存率8割』 『後ろに食いつかれたっ』 『待て、俺が落とすっ』
大小様々な機竜がサウスフォレストに向けて飛行している。 伝説の生き物である竜を機械の身体に押し込めたものから、実在する戦闘機のようなものまで様々だ。 田辺の駆るブラックアウトもその中にいた。
後は各種反応やトークの増強かな。
空から見下ろす街並みも何もいつもと変わらない。 X-2のエリスにとって、その景色は見慣れたものであった。
を頼んだり、自分でいじったりしていたらこんな時間に。 ひとまず、シェルを加工する大まかな流れはわかった。