「しっかし、連中は何なら信じるって言うんでしょうね」
「どういう意味かね」
「有人機にすればパイロットの命を軽視してるだの騒いで、無人機にすれば信頼性に問題があるって騒ぐんですよ。いたちごっこですよ」
「大衆は難癖をつけたいものだ」
「その意見には同意しますよ」
「そうだな、神様に乗ってもらおう」
「神様?」
「大衆は神を信じる。なら、神が乗ればいい。神は不死であり、過ちを犯さない。絶対だ」
「そう言われてますねぇ」
「こいつの名前はエリスだ。女神の名なら満足するに違いない」
「そうやって皮肉るのは悪い癖ですよ。しかも、不和の女神の名前じゃないですか」
「表向きは星の名前にしておく。それで良い」