wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

買い物

「機兵相手は調子が狂うな」
詰め替え用の洗剤をカートのカゴに入れながら一騎は言った。
「戦ったことの無い敵だったのが大きな原因だろう」
シャンプーとリンスを両の手にとって見比べているエリス。
「何やっているんだ?」
「これとリンスインシャンプーを買うのとどちらがCPに優れるのか考えていた」
「そこまで考えなくても良いだろう」
「そうか……」
何処か納得いかなさそうにエリスはシャンプーとリンスをカゴの中へ。
「買うべきものは揃ったか。何か、食べたいものとかあるか?」
「私は特に無い。一騎はどうなのだ」
「俺も特に無いな。さっさとレジ済ませて帰るか」
「賛成だ」
カートを押す一騎の横をエリスが歩く。
「交代するか?」
「大丈夫だ。軽い」
「了解した」
レジを済ませて、割れにくいものを下、割れやすいものは上の順番で持参のバッグの中に詰め込む。
「帰りは私が持つ」
「結構、重たいぞ」
「軽いのでは無かったのか」
「あれはカートで押していたからだ」
「許可できないか?」
「条件付だ。疲れたら俺に代われ」
「了解した」
何処か嬉しそうな顔でエリスはバッグを持った。
店の外に出ると空の青が深くなっていた。