『大型ミサイル命中まで残120秒』
『何でもいい。道を切り開くんだっ』
『機竜残存率8割』
『後ろに食いつかれたっ』
『待て、俺が落とすっ』
ブラックアウトの後方にミサイルが5発食いついた。
すぐさま、擬似熱源を放出。
ミサイルのターゲットが擬似熱源に移り、ブラックアウトから離れる。
ミサイル、爆発。
周囲の機竜も降り注ぐミサイル群を回避しながら、敵の数を確実に減らしている。
『ミサイル着弾まで30秒、全部隊至急退避せよ』
『まだ、減らしきれてないぞっ』
『離脱に15秒あれば十分だ。粘れる奴はギリギリまで粘れ』
破損の酷い機竜とその護衛につく機竜が離脱する。
それでも多くの機竜はその場に残り、ミサイルを落とし、防壁となったガーゴイルとドラゴンを撃ち落す。
残り攻撃をする機竜の中にブラックアウトもあった。
『私たちは離脱に12秒あれば十分だ』
『とことん、ギリギリだな』
竜の砲撃を身体を傾けてかわし、
『だが、見方に落とされるつもりは無い』
竜の顔面にレーザーガンを浴びせる。
鱗と血と肉が飛び散る。
『そうだ』
さらにミサイルを撃ち込む。
竜が断末魔の叫びと身体を構成したものをぶちまける。
赤い飛沫を突き抜けて、ブラックアウトと機竜たちが敵の壁を削っていく。
『時間だ』
『離脱、最大速度』
2基のエンジンが青白い炎を吹き出す。
ブラックアウト、垂直上昇。
先に離脱を始めた機竜たちに並ぶ。
『着弾まで後、5、4、3、2、1―』
大型ミサイルは一瞬にして、内部に蓄積していたエーテルを膨大な熱と光に変換。
大きな光の半球となって敵の大型ロボットを飲み込んだ。