wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

ReSTARTER(5)

音速超過の速度で距離をとりながら、フレア1は後方で火球に飲み込まれるブラック・アウトを見た。
あれで仕留められると彼は考えていなかった。
シールドにダメージを与えることが彼の目的だったからだ。
火球を突き破って、黒の機竜が姿を現す。
シールドは纏ったままだった
「はは、化け物め。やりがいがあるじゃねぇか」
今度はこちらの番だ、と言うようにブラック・アウトはフレア1に向けて近距離ミサイル2発を発射。
フレア1、擬似熱源を放出しながら急上昇。
ミサイルは熱源に吸い寄せられて起爆、火の玉を作り出す。
その横をすり抜けてブラック・アウトが下から挑むようにフレア1に突っ込んでくる。
黒の機竜が機銃を掃射。
フレア1はボードの先端を左の手で掴んで、引き上げ、さらに重心を移動させて機銃弾を回避。
上空にすり抜けたブラック・アウトへ向かって、レールキャノンを速射する。
ブラック・アウトは機体下面にあるスラスターを使い水平に移動し、弾体を避けるが計算の内だった。
空になったレールキャノンを投げ捨て、軽くなった身体でブラック・アウトに食いつく。
犬歯を見せる笑みを浮かべて、
「掴まえた」
赤の鋭い爪がブラック・アウトのシールドに食い込んでいた。
さらに強く握れば、爪が空けた穴からシールドに割れ目が生じていく。
黒の機竜の推力がフレア1の装甲を加熱するが、耐えられる範囲だ。
構わずフレア1はブラック・アウトのシールドを突き破り、本体を捉えた。
黒の装甲が歪み、拉げる。
フレア1の放熱スリット、光学センサーを初めとする各種センサーを防護壁が覆う。
代わりに胸部のスリットが開き、
「吹き飛べぇっ!!」
エーテルバーストシステム作動。
フレア1の支配下にあるエーテルがすべて攻撃の威力に変化し、ブラック・アウトに直撃する。