wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

ReSTARTER(7)

フレア1、ブラック・アウト共に機銃を発砲。
発砲と同時にフレア1は下、ブラック・アウトは上に回避。
互いに弾は外れる。
ブラック・アウト、重力を使って加速。
ヴェイパートレイルを残しながら、フレア1に機銃掃射。
フレア1はボードの前を掴み引き上げて回避。
黒の機体が短距離ミサイル2基を放ち、機首を上に向けて離脱。
フレア1、疑似熱源を連続射出しながらミサイルに向けて発砲、弾頭に命中し起爆。
「くそ、何処へ行った!?」
爆発に視界が妨げられてブラック・アウトの姿が見えない。
直感に任せて機体を右側に滑らせる。
ブラック・アウトの機銃弾がフレア1の左腕に命中、装甲が内側から爆ぜて、内部構造が露出する。
すかさず、右腕の機銃を連射。
機銃弾に負われるようにブラック・アウトの姿が見えた。
フレア1を周回するように飛んでいる。
まるでこちらの動きを伺っているようで気分が悪い。
『まだ、やるか?』
返事代わりにブラック・アウトの進行方向に向けて発砲。
黒の機体は左側面のスラスターを点火し、滑るようにして回避した。
気に入らない奴だ、とフレア1は思う。
まるで人間ではないようだ。
断続的に発砲するがどれも外れる。
突然、機体ががくんと振動した。
ボードの推力が低下している。
『お前の負けだ、フレア1』
返事をする前にボードが火を噴き上げる。
徐々に高度を下げていく。
「なるほど、お前はこれを見届けに来た訳か。嫌な奴だ」
『そう、だな』
顔は見えないが苦笑いしているようだ。
何処までも嫌な奴だ。
何を言われても平然としていれば、何も考えずに恨めると言うのに。
『フレア1、撤収だ』
「ボードをやられた」
機体が先よりも大きな振動。
ボードが爆発したのだ。
高度が急激に下がっていく。
舌打ちしながら、コックピットの右側面にあるレバーを引いた。
フレア1、緊急パラシュートを展開。
『フレア1、大丈夫か?』
「フレア3、回収を頼む」
身体の力を抜いて空を見れば、黒の機体が雲を引きながら遠ざかっていく。
小さくなる黒の機体に己の手を伸ばし握る。
次は倒してやるよ、ブラック・アウト。