フレア1、ブラック・アウト共に機銃を発砲。
発砲と同時にフレア1は下、ブラック・アウトは上に回避。
互いに弾は外れる。
ブラック・アウト、重力を使って加速。
ヴェイパートレイルを残しながら、フレア1に機銃掃射。
フレア1はボードの前を掴み引き上げて回避。
黒の機体が短距離ミサイル2基を放ち、機首を上に向けて離脱。
フレア1、疑似熱源を連続射出しながらミサイルに向けて発砲、弾頭に命中し起爆。
「くそ、何処へ行った!?」
爆発に視界が妨げられてブラック・アウトの姿が見えない。
直感に任せて機体を右側に滑らせる。
ブラック・アウトの機銃弾がフレア1の左腕に命中、装甲が内側から爆ぜて、内部構造が露出する。
すかさず、右腕の機銃を連射。
機銃弾に負われるようにブラック・アウトの姿が見えた。
フレア1を周回するように飛んでいる。
まるでこちらの動きを伺っているようで気分が悪い。
『まだ、やるか?』
返事代わりにブラック・アウトの進行方向に向けて発砲。
黒の機体は左側面のスラスターを点火し、滑るようにして回避した。
気に入らない奴だ、とフレア1は思う。
まるで人間ではないようだ。
断続的に発砲するがどれも外れる。
突然、機体ががくんと振動した。
ボードの推力が低下している。
『お前の負けだ、フレア1』
返事をする前にボードが火を噴き上げる。
徐々に高度を下げていく。
「なるほど、お前はこれを見届けに来た訳か。嫌な奴だ」
『そう、だな』
顔は見えないが苦笑いしているようだ。
何処までも嫌な奴だ。
何を言われても平然としていれば、何も考えずに恨めると言うのに。
『フレア1、撤収だ』
「ボードをやられた」
機体が先よりも大きな振動。
ボードが爆発したのだ。
高度が急激に下がっていく。
舌打ちしながら、コックピットの右側面にあるレバーを引いた。
フレア1、緊急パラシュートを展開。
『フレア1、大丈夫か?』
「フレア3、回収を頼む」
身体の力を抜いて空を見れば、黒の機体が雲を引きながら遠ざかっていく。
小さくなる黒の機体に己の手を伸ばし握る。
次は倒してやるよ、ブラック・アウト。