wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

ゴーイングダウン・ブラック・アウト(2)

黒の機体がくの字に折れ曲がり、爆発し、残骸が空にぶちまけられる。
HUDにはゲームシステムによる撃墜判定、機竜と人間をそれぞれ一つずつ。
命中した槍も拉げ、下に下に落ちていく。
『フレア1があのブラック・アウトをやったぞ!!』
フレア3が叫び、フレア1の意識が現実に引き戻される。
「……ああ」
気のない返事をすると、無線から声はしないが、何か言いたそうな気配がした。
恐らく、何でこいつは喜んでいないのか、と考えているのだろう。
『敵が引いていくぞ』
『各機、深追いはするな』
あのブラック・アウトがそう落とされるわけがない。
元々、機竜というのは遠距離戦を得意としているのだ。
中距離は良いが、近距離は苦手な距離なのだ。
よって、通常の対機竜戦は遠距離武器を中心とした撃ち合いであり、今回のような近距離戦闘はあり得ない。
確かにブラック・アウトを破壊した。
これは否定しようのない事実だ。
自分の実力が彼らに勝った、それだけだ、と考えるのも良いのかも知れないが……。