wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

ゴーイングダウン・ブラック・アウト

ブラック・アウトの後ろをとっても油断するな。
いつからか誰かが言い始めた言葉だ。
あの黒い機竜は水平飛行のまま、独楽よろしく回転して、後ろを向くのだ。
後ろをとったつもりが、正面から撃たれ、返り討ちにあうことすらある。
一瞬の油断が命取りなのだった。
だから、フレア1はシールドの使用回数を消費した。
ブラック・アウトの放った短距離ミサイルはエーテルによって、作り出された力の壁に阻まれてひしゃげ、燃え上がった。
熱も風も破片もフレア1の真紅の機体に触れることはない。
フレア1は爆発の煙を突き破って、突進を開始。
煙を抜けて広がる視界には方向を転換しつつあるブラック・アウトが飛び込んできた。
逃すものか、とフレア1は主機関のリミッターを解除。
コックピット内の慣性制御を超える加速にフレア1のパイロットの体がシートに押し付けられる。
彼我距離が一気に縮まっていく。
ブラック・アウトの機体、右側面が見える。
コックピットとバイザー越しに目が合ったような気が、した。
そのコックピットに向けて主武装の長槍を向け、射出トリガーを引いた。
槍が根元から切り離され、モーターが点火。
0.1秒で音速を突破したそれは、ブラック・アウトの持つバリアを容易く貫通し、機体の構造体を破壊した。