wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

戦いの後

戦闘終了後、すぐに基地にブラックアウトを下ろすと田辺は仲間の誘いをすべて断ってログアウト。
いつもならこの手の祭りには参加するが、今はそれどころではない。
ヘッドセットを外して、振り返って、
「あの操縦系、疲れるんだな」
「予想できなかった。すまない」
「俺は生きている。死んではいない。問題ない」
「そういうものか」
「そういうものだ……少し……休み……たい……」
言い終わる前に田辺はその場に突っ伏した。
田辺の顔に手のひらを近づけてエリスは呼吸を確認する。
言葉通り、疲れているのだろう。
同じ部屋にある折りたたみ式のベッドを広げる。
布団を綺麗に敷き直し、斜め半分にめくり、田辺を寝かせる場所を確保。
準備が良いか最終確認をしてから、田辺の身体を抱きかかえてベッドに運ぶ。
そのまま、静かに身体を下ろすが、それでも目を覚まさないのは相当、疲れているのだろう。
帰っても問題は無いのか、とエリスは考える。
彼が目を覚ますまでは危険性が無くなったとは言えない。
目を覚ますまで、自分が見ているのが妥当だ。
そう結論を出すと、エリスは横になっている田辺の隣に滑り込む。
表情と呼吸が確認できる良い場所だ、とエリスは考える。
そして、接触型のセンサーが最も、効率よく感知できるようその身体を静かに抱き寄せた。