wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

混戦(14)

機体の操作は田辺に任せてエリスは敵への攻撃手段を考えていた。
敵は超長距離・超火力の空中要塞だが一つだけ弱点があった。
装甲が薄く、通常の空対空ミサイルでもダメージを与えられるのだ。
しかし、シールドを装備しているので、装甲に攻撃するにはまずシールドジェネレータを破壊しなければならない。
一度の接近でシールドジェネレータと装甲を破壊できればいいがミサイルを放つ隙を突かれる可能性がある。
ブラック・アウトの機体特性を考えると、ヒットアンドアウェイが最適だろう。
それを田辺に伝えると、彼は頷きと加速で応じた。
一撃でも被弾すればひとたまりも無いだろう、と考えたが被弾する可能性は低いとエリスは否定した。
田辺はブラック・アウトも自身の能力も知っている。
機体に振り回される、とリヴァイアサンパイロットは言っていたが、その自覚は彼にもあることを彼女は操縦から理解していた。
問題は無い、とエリスは判断し、彼が望むように機動をするよう機体を制御する。
砲弾と光の雨をかわし、雲を割いて黒の機竜が加速した。