データリンクが異常な数値を示して数秒後、空で爆発音が響いた。
敵味方共に攻撃を弱めて、降って来るであろう残骸に備える。
「広範囲シールド持ちは他の連中の盾になれ!」
その言葉に応じてエプシロンが魔術の増幅機能を持つ本を持って前に出る。
オフィーリアは狙撃銃を低姿勢で構える。
頭上、分厚い雲を突き破って姿を現したのはこちらの陣営の機竜と、有機的でグロテスクな形をした機竜。
味方の機竜がミサイルを発射。
敵の機竜はこちらの前線に向かって突っ込んでくる。
敵機竜、後方に向けて迎撃ミサイル発射。
こちらの前線の真上で両ミサイルが激突し、爆発。
爆風と破片が襲う。
シールドを全力で展開しながら、エプシロンは言った。
「全く、無茶苦茶だよ」
味方の別の機竜が信号弾を発射。
シールドの中にいた銃剣士の一人が言った。
「緊急の撤退信号だよ、あれ」
頷きながら、
「逃げるが勝ちと言うことかな」
『撤収命令が出た。打ち合わせ通りにやれば、逃げられる』
「敵と味方の機竜は南西方向で交戦しているようです。今のうちに下がりましょう」
オフィーリアの言葉にその場の全員が頷き、行動を開始する。