被弾は一瞬、推力を生み出していた黒の羽が飛沫をあげて砕けた。
自由落下の先から聞こえるのは敵の歓声だ。
「羽の一つや二つがどうしたって言うんですか?」
誰に向けるわけでもなく疑問を口にする。
下を見れば第2波が激しい雨のように迫ってきていた。
「修復の材料でしょうか」
そう言った彼女の口元にはかすかな笑みが浮かんでいる。
次の瞬間、弾幕は白い光になって、アルギズに吸い込まれていく。
聞こえてくるのは風の音と敵の悲鳴だ。
範囲の指定を間違えたようですね、と悲鳴の原因を推測。
「では、本気で行かせてもらいます」
光の粒を残して、白の羽が加速を開始する。