wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

続々・流行モノ

『敵ミサイル、第2波、第3波確認っ!』
オペレータが悲痛な声をあげる。
レーダーにはミサイル群の輪が2重に見える。
迎撃ミサイルは撃ち尽くしている。
エリスが操縦系と推進器の切り替えを提案するのと、田辺がボタン操作するのはほぼ同時だった。
密度の高いエーテルをインテークが吸い込み、内部の魔法陣がエーテルを推力に変えていく。
それが機体の振動や計器類ではなく、感覚としてわかる。
目を開けば、空と迫り来るミサイル群が見える。
ミサイル群に向けて、ブラック・アウトは突撃を開始。
翼端のエーテル推進器と2基の推進器から吹き出る光は白だ。
最高速に達すると同時、推進器が龍の雄叫びを上げる。
ミサイル群の一部がブラック・アウトに照準を合わせて追尾を開始する。
ミサイルの輪が崩れる。
食らいついてきたミサイルをレーザー砲と機銃で片っ端から潰していく。
味方の機竜も習って、落としていく。
中には自身を盾にして落ちる機竜もあったが、誰もそれを嘆きはしなかった。
そう選択した本人が満足しているのだろうから。


まったく、狂気じみている。そこまでして逆らうことかね、とGMは小さくつぶやく。
声に出せばプレイヤーは萎縮するに違いない。
第2波までは食い止められていたようだが、第3波の時点で相手の機竜群の陣形が崩れ、第4波になると陣形は崩れ、破壊目標である"ファルクラム"がむき出しになっている。
「一気に仕留める。機竜隊を前進させろ」


『こちら、ラースタチュカ。飛翔開始まで180秒かかります。それまで――』
CICよりラースタチュカ。その先はなしよ。今は自分のやりたいことだけを考えなさい』
『ラースタチュカよりCIC。了解。ラースタチュカより全軍へ。全てを込めて歌います』
『敵、機竜隊が侵攻を開始……っ!!』
『全機、ラースタチュカを死守せよ』
『了解。歌姫を守るって王道だよな』
『了解。なんたる死亡フラグ
『了解。ところで知ってるか? Mobでも聞き届けられるもんなんだぜ』
『了解。俺らはMobかよ』
『了解。歌姫様がヒロインなら主人公は誰だろうな』
『了解。なら、誰もが主人公なんじゃね?』
『トロイ3、交戦開始』
『トロイ2、交戦開始』
『ナイト2、戦闘を続行する』