サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
- 作者: 下條信輔
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/12
- メディア: 新書
- 購入: 17人 クリック: 71回
- この商品を含むブログ (74件) を見る
数年前に友人から頂いた本を今になって読んだ。
貰った当時は自意識は自分で制御できるもので他者からの干渉は受けない、と考えていて本の趣旨そのものが受け付けなかった。
時間が経つに連れて、自意識は自分が思っている以上にいい加減なものであり、もっと深いところにあるのが主なのではないか、と思うようになった。
実際、どんなものか考えるのにも専門の人の本を読むのがはやい、と思って紐解いた。
文章があちらこちらに流れていって、まるで子供の後ろを追いかけているような気分になった。
各章の繋がりは章の最後でまとめがあり、どの章のどこと繋がりがあるのか明記してあるのでつかみやすいのだけども。
内容自体は専門外なのでわからない用語も多かった。
一部、大学で人工知能の講義で聞いたことのある用語が出てきて懐かしかった。
最近、あれこれ考えていたことが腑に落ちたので読んでよかったと思う。
自己啓発だとかなんだとかの話は自分の中ですべて完結できる、というのが前提になっているから違和感を覚えるのだ、とこの本を読んで思い至る。
何となくバイオスフィアの実験失敗の話を連想した。
計算上は問題ないはずなのに微生物や風の影響を見落としていたのが原因だという。
自分を何とかしようと思ったら自分の頭の中のほか、身体や周囲のもの、付き合っている人々も考慮する必要がありそうだ。*1
サブリミナル・マインドが前著としてあるようなので機会があれば読んでみたい。
*1:やり過ぎると毒だが。