wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

自分以外の存在が人間ではなく、ロボットではないのか、という不安に駆られた男はその不安を解消するべく、様々な方法を講じてみた。
人間とロボットでは反応速度に違いがあるだろう、と自分が物を落として、相手にキャッチさせる、などの方法を試す。
が、それでも普通の人間――自分を基準とした話だが――と同じように落としてしまう。
生活面で何か違いがあるのではないかと探してみるが何も見つからない。
ふと、男はロボット工学を専攻している古くからの友人に自分の悩みを打ち明けてみる。
彼は男の相談を相づちを打ちながら、時には質問などをして良く聞いてくれた。
話を聞き終えると彼は男に対して、方法を考えるから時間をくれるよう言った。
時間がどれくらいになるかわからないが、男は彼の言葉に頷いて待つことにした。
1週間ほどしてから彼から連絡があった。
方法は秘密だが確実にロボットと人間を見分ける方法を見いだした。
明日の正午に実行するから、外を見ていて欲しい、と。
男は彼が真面目でありながら、ユーモアも持ち合わせている人物であることを思い出した。
だから、何も無いのではないか。いつもの冗談ではないのか、と考えながら翌日を迎えた。
男は彼の言葉通り、外を眺めていた。
19階のベランダから見下ろす風景はいつもと変わらない。
小さいが人々が喧噪のなか、それぞれの生活を送っている。
この中にどれぐらいロボットが混じっているのだろうか。
不安よりは好奇心に近いモノにいつの間にか変わっていた。
いや、彼の冗談かも知れない。
思考の世界に入っていた彼を腕時計のアラームが元の世界に戻した。
喧噪も何もない無音の世界だ。
男は何が起きたのか理解できず、しばらく、呆然としていた。


この流れも何か物足りないな。
他の流れも似たようなものだけど、一番最初のものが一番、酷い。

  1. 男が悩む
  2. 思いついた範囲で対応するがわからない
  3. 手を打ち尽くし、公園のベンチで項垂れていると、少女*1が「お困りのようですね」
  4. 男は少女に自分の抱えている悩みを打ち明けた
  5. 少女はロボットの使っている専用のネットワークにウィルスを注入し、ロボットを停止させる案を提案した
  6. なぜなら、少女もまた、男のように同じ悩みを抱えているのだという。他にも同じ人間がいるという
  7. 多くの人間の協力を得て、男らはウィルスの開発に成功した
  8. そして、ウィルスをロボットのネットワークに注入、ロボットを破壊する
  9. 男のまわりにいる人だと思っていた人間はすべてロボットだった
  10. 男は炎だけが動く街並みを走り抜けて、少女と出会った公園にたどり着く
  11. 最初に会った時と同じように少女は公園のベンチの前に立っていた
  12. 男は少女に駆け寄って、少女もまた、ロボットであることに気づいてショックを受ける
  13. 少女の手には手紙が握られていた。それは男が最後の人間であること。他の人間だと思っていたものはロボットだということ……世界の真実が書いてあるものだった
  14. 失ったものに気づいた男は声を上げて泣き崩れる
  15. 次の瞬間、火災旋風が発生して男を焼き尽くす

*1:と言うわけでもないか? 10代後半から20代前半