wired raven

文字通りの日記。主に思ったことやガジェットについて

トラブルシューティング

弱った、と瞬子は動かないPCの前でうなだれていた。
先ほどまでディスプレイにテキストエディタが映っていたが今は何も映らない。
ディスプレイの電源は入っているようだが、パソコン本体からは何も音がしていない。
ブレーカーは落ちていないようだし、電源ケーブルも刺さっているが、電源ボタンを押しても何も反応がない。
彼女にわかるのは壊れたと言うことだけで、その先はわからない。
「……」
詳しい人に聞けば、と思ったがネットに繋がらないことにはどうにもなるまい。
ため息をついていると呼び鈴がなった。
玄関をあけてみるとカシスだった。
瞬子の顔を見ると、カシスは一瞬だけ目を見開いて、
「どうしたの?」
「パソコンが壊れたみたいなの」
努めて冷静に言ったつもりだったが、声は酷く落ち込んでいる。
「わかったわ。見せてもらえる?」
カシスの言葉に瞬子は頷いた。
「ところで、カシスちゃんはパソコンのことわかるの?」
「少しだけなら」
そういってカシスは微笑んだ。