合計4拍いただきました。
どうもありがとうございます。
追想の変身譜 2
プリステラが目を開くと、そこには何も無かった。
上下左右何処を見ても白一色だ。
奥行きもなく、のっぺりとした風景が広がっている。
「私……」
思い出そうとして、あることに気づいた。
「身体……」
目を開いた、と言うのは錯覚で身体と言うべきものが何処にもない。
身体の形を確認しようにも手がないので触れることができない。
意識だけ抜き出されてしまったような状態だ。
「死んじゃったのかな?」
ゴーストが死んだらどうなるだろう、とは何度か考えたことがあるが答えはでなかった。
「それはない」
来るのは否定の言葉だ。
落ち着いた女性の声が何処からともなく聞こえる。
「エリ、ス?」
「そうだ」
声の主の位置がわからない。
まるで周囲の空間そのものが喋っているようだ。
「おはよう、プリステラ」
彼女の言葉と同時、白一面だった世界が鮮やかな青に染まる。
上も青、下も青だが濃さが違う。
頭上にある青は淡い青で、足下にあるのは濃い青だ。
空と海。
もう一つの色彩がある。
彼女自身の淡い青の鱗。
「私、どうして……?」
問いに答えるようにエリスが姿を現した。
「友人だから助けた。それだけだ」
「……でも、そんなことしたら」
「私の立場が危うくなる、か?」
「……」
プリステラは答えられなかった。
なぜなら、自分がエリスの立場を悪くしているからだ。
「問題は無い」
エリスは時系列に沿って説明を始めた。
前向きになるために心がけていること
- 明るい曲を率先して聞く
- 自分を卑下しない
- 「どうせ」ではなく「せっかく」
- やるなら楽しむ
- 軽い運動
- 人と話す
- 行動する
- 正しい姿勢を維持する
- 疲れたら休む
- 期限は死ぬまで
- なるようにしかならない