「あいつらが攻めてきた時、全員がもうおしまいだと思ってたんじゃないか? なんて言うんだっけ、あいつらが使ってる戦闘機……まぁ、名前はいいか。あいつら、ビルで自爆事故してな。で、外に放り出された奴をボコって、試しに誰かが食ったんだよ。うまくってさ。それでかな、皆、火がついたんだ」
「軍だっけ。食べていいか調べるのにペーストを肌の上に乗せて数時間待つとかやるの。ああいうのなしでがっついてたな。俺もまぁ、その一人なんだけど。見てくれは悪いが確かに肉の味がしたんだ。で、表面の焼けている部分を食べ尽くしたあとに、皆で顔を見合わせて、ほんと"あ"って感じだったな」
「軍とか科学者連中がOKを出す間に俺たちは奴らを調理して食うことを覚えた。火を通せば問題ないし、食えそうにないのは内臓だった。それも時間の問題だったが――最初に劣勢になっていたのは一発、ガツンとやられちまったからじゃないか? 食われる側になってあいつらびびったんじゃないか」
「もう、がったがただったじゃん。地上から姿を消して、空もおっかなびっくりでさ。空軍の連中が来たらすぐに尻向けて逃げるんだもんな。傑作だったぜ。落ちたら食われると思ったら無理もないが」
「配給が始まってからは忘れてたんだ。久しぶりに食ったらまずくってな、あいつら」