「相手はブラック・アウトか。気を抜くなよ」
「噂聞く限りじゃそんな余裕なさそうだ」
「どういうこっちゃ」
「戦闘開始と同時に落とされそうだから」
「お前なぁ。せめて、先に落とすぐらい言ってくれよ」
「強がりは言わない主義なんだ」
「お前は謙遜のつもりかもしれないが、うちのギルドじゃスコアトップだろう。もう少し、自信持ってくれよ」
「過ぎた謙遜は嫌みか」
「お、よくわかったな。鈍いお前の割には上出来だ」
「顔に書いてある。誰だってわかるよ。まぁ、やれる限りはやるさ」
「そうこないとな」
「それに」
「それに?」
「あいつと一緒に飛ぶんだ。不思議とやられる気がしない」
「はいはい、惚気乙」
「そういうのじゃないよ。だいたい、彼女とはそう言う仲じゃない。いや、性別もわからない」
「あんだけ、仲がいいのに」
「仲が良ければカップルはよしてくれ」
「つい冷やかしたくなるんだよなぁ」
「良い相棒だよ。カップルどうこう関係なしに」
「それが強さの秘訣だろうな」
「なに、それ」
「ああ、機竜のポテンシャルを引き出す為に何が必要か知らないのか」
「噂だろう。機竜と竜騎士が信じ合うことってのは」
「お前らを見てるとそんな気がする」
「まさか。そんなよくわからない仕様にするとは思えないよ。機体もAIも一流だからに違いない」
「自分はぼんくらだってか」
「そこまで自虐はしないよ」
「まぁ、頑張れ」
「わかってる。今日はこのあたりで落ちるよ」
「げ、こんな時間か」
「寝ないと化粧の乗りが悪くなる」
「なんだと」