本のページを手繰るのを止めてアルギズはダンボールに座るアズリエルを見た。
気付けば壁に持たれて静かな寝息を立てている。
「……さすがに疲れますよね」
かすかに笑みを浮かべてアルギズは言った。
本を閉じて立ち上がり、何か掛けられそうなものを探す。
この部屋にそんな気の利いたものは無いことに気がついて苦笑。
仕方ないので自分の着ている上着を掛けることにした。
上着を掛けながら彼の寝顔を見る。
結構、かわいい顔かもしれない、と予想しない言葉が頭をよぎった。
あわてて首を振って、上着を掛けるとすぐに椅子に座りなおし本を開く。
「……」
本の内容よりも彼の方が気になって仕方が無い。
「そういうことなのでしょうか」