Extreme World
『敵、機竜群は第1世代から第2世代の機竜を改良したものと推測される。各機、油断するな』 新しい情報を入手次第、すぐに送信する、とオールシーイングアイ。 エクスカリバー1、エクスカリバー2は一度、補給のために空中空母に戻っていた。 「まさか、お前と…
艦隊と合流する、とエリスは田辺に告げた。 「何とか間に合ったな……」 視界の一部を拡大してみると、確かに艦隊が見える。 運営直轄ギルド「エクセキューショナーズ」の所有する空中艦隊だ。 機竜や機兵の空母、艦首に主砲を有する戦艦、それらの中央に巨大…
イルミネア大陸ノース・フォレストの北方120kmの海上。 海底地図コンプリートに情熱を燃やす男たちがいた。 彼らは攻城戦や各種生産活動、クエストなどよりもこの世界の海底地図作成に力を入れていた。 ギルドマスターにとやかく言われることもなく、ギルド…
フレア1、ブラック・アウト共に機銃を発砲。 発砲と同時にフレア1は下、ブラック・アウトは上に回避。 互いに弾は外れる。 ブラック・アウト、重力を使って加速。 ヴェイパートレイルを残しながら、フレア1に機銃掃射。 フレア1はボードの前を掴み引き上げて…
機体の表面温度が一瞬で1000℃を超え、黒の装甲が赤に変わる。 フレア1の爪が空けた穴から熱が侵入し、内部構造を破壊していく。 エリスは田辺との感覚共有を制御し、機体のダメージが彼に痛みとして伝達されないようにする。 『コントロールを寄越せ』 『ユ…
音速超過の速度で距離をとりながら、フレア1は後方で火球に飲み込まれるブラック・アウトを見た。 あれで仕留められると彼は考えていなかった。 シールドにダメージを与えることが彼の目的だったからだ。 火球を突き破って、黒の機竜が姿を現す。 シールドは…
ブラック・アウトの後部光学センサーが反転するフレア1を捉える。 前進を続けながら田辺はフレア1の機動性の高さを評価した。 人型の場合、腕や足を動かしたり、胴体をひねることで重心の移動ができる。 フレア1(のパイロット)はそれを良く知っている。 脅…
正面から敵の機兵が2機、こちらを迎撃に向かってくる。 そのうちの1機から指向性通波。 ブラック・アウトを撃墜したフレア1からのものだ。 反射的に田辺はそれに応じた。 『聞こえるか、ブラック・アウト』 落ち着き払った男の声だ。 「感度良好。良く聞こ…
ブースターの速度を殺さず、ブラック・アウトは直進を続ける。 『敵レーダー波感知』 ヘルメットを経由してエリスの声が聞こえる。 そして、放たれる敵ミサイル群。 文字通り無数のミサイルがこちらに向かって迫ってくるが、田辺は冷静に事実を捉えている自…
二人の言葉に竜は加速の2文字で返した。 一瞬で音の壁を越える。 目の前にあるのは空の青のみ。 白や黒の雲は無い。 遙か前に強い不快感、敵だ。 『ブースター、使用限界まで10秒』 エリス、ブースター切り離しまでのカウント開始。 田辺は切り離しの操作を…
ログイン、キャラクター「田辺」選択。 名前は同じだが種族は自動人形だ。 高機動戦闘に耐えられる高い強度を持つ人工の身体。 室内の光景を透過していたHMDがゲーム内の光景を映し出す。 目の前に広がるのはブラック・アウトのコックピットだ。 計器類は大…
コーヒーカップを両の手で持ちながら、一騎はエリスに尋ねる。 「そんなに疲れているように見えるか?」 「そうは見えない。推測しただけだ」 どうやら、顔には出ていないようだ。 心理的負荷が高かったのはその通りだ、と一騎は肩の力を抜いた。 「機体の準…
さっきまで目の前には空が広がっていたのが、一瞬にして切り替わり見慣れた部屋の風景に切り替わった。 居心地の良い夢から急に覚めてしまった感覚に似ている。 初の被撃墜だ。 そして、ブラック・アウトは完全に破壊されたため、復活はできない。 完全破壊…
黒の機体がくの字に折れ曲がり、爆発し、残骸が空にぶちまけられる。 HUDにはゲームシステムによる撃墜判定、機竜と人間をそれぞれ一つずつ。 命中した槍も拉げ、下に下に落ちていく。 『フレア1があのブラック・アウトをやったぞ!!』 フレア3が叫び、フレア…
ブラック・アウトの後ろをとっても油断するな。 いつからか誰かが言い始めた言葉だ。 あの黒い機竜は水平飛行のまま、独楽よろしく回転して、後ろを向くのだ。 後ろをとったつもりが、正面から撃たれ、返り討ちにあうことすらある。 一瞬の油断が命取りなの…
エンケの空隙では数ヶ月に1度ぐらいの頻度でオフ会が行われている。 ギルドマスター主導で行われているものやギルドメンバーが独自に行われているものもある。 どれも基本的には近くに住んでいる者同士が集まって、一緒に食事をしたり、カラオケに行ったりす…
架空オンラインゲームのExtreme Worldのモンスターを募集中。 http://blankrune.jf.land.to/pukiwiki/index.php?%A5%E2%A5%F3%A5%B9%A5%BF%A1%BC%A5%EA%A5%B9%A5%C8
「ボーダープラス20。飛行に問題なし」 「フレア隊、降下を開始せよ」 オペレータの指示に従って、フレア1――機兵のコールサインだ。――は真下の開いた空間を見た。 朝日に照らされ輝く新緑の森が広がっていた。 降下の準備は既に整っている。 問題は心の方だ…
『命令違反だ! わかっているのか!』 『承知の上さ。歌姫とダンスだ!』
ラースタチュカ事件から一週間が経った。 ラースタチュカの破壊を企画したギルドマスターは処罰されたと公式サイトに載っている。 運営チームも一枚岩ではないようだ。 あちこちの掲示板では今回の事件について様々な憶測が飛び交い、盛り上がりを見せていて…
『敵機竜隊が動かしたか。ゴーストアイからゴースト全機。肝試しの時間だ』 ゴースト3の眼下には敵の空中空母が見える。 護衛についている機竜は10。 こちらの2倍だが10倍に比べればたいしたことはない。 一人で2機落とし、ついでに空母を落とせば良い計算だ…
『敵ミサイル、第2波、第3波確認っ!』 オペレータが悲痛な声をあげる。 レーダーにはミサイル群の輪が2重に見える。 迎撃ミサイルは撃ち尽くしている。 エリスが操縦系と推進器の切り替えを提案するのと、田辺がボタン操作するのはほぼ同時だった。 密度の高…
「我々に協力する善良なプレイヤー諸君に感謝したい。ファルクラムを所持するプレイヤーたちは自分たちのやっていることがよくわかっていないようだ。彼らの行っている行為はゲームの秩序を壊す行為だ。秩序の崩壊は避けなければなるまい」 誰もが運営の、ゲ…
「よせ、そいつはNPCだ。放って置いても問題ない」 「バカ野郎! まだ、こいつは生きてるんだぞ! 見捨てられるかよ」 「バカはお前だ! お前まで死んだらどうする?」 「下がるならお前一人で下がれよ。俺はこいつといる」 「くそっ」 「しっかりしろ、すぐに助…
データリンクが異常な数値を示して数秒後、空で爆発音が響いた。 敵味方共に攻撃を弱めて、降って来るであろう残骸に備える。 「広範囲シールド持ちは他の連中の盾になれ!」 その言葉に応じてエプシロンが魔術の増幅機能を持つ本を持って前に出る。 オフィー…
フィールド、アイテムについての設定を募集中です。 http://blankrune.jf.land.to/pukiwiki/index.php?Extreme%20World#u41df38f
機竜 飛行機械全般を指す。固定翼。基本戦闘機 機兵*1 ヒト型のロボット。ノリはACか? 機獣 動物型の運搬支援機械(?)*2 動物を模した大型の戦闘兵器。ノリはゾイド。 機竜に比べスペックは劣るが、廉価。陸、海、空。 実在する兵器なども一応はあるが、歩…
スグリはトラックの後方にある指揮コンテナの中にいた。 正面の大型ディスプレイには各部隊の進行状況や損耗率などが映し出されている。 これらの情報は前線上空を飛行している管制機から送られて来ている。 この管制機は彼女の出した指示を前線の部隊に伝え…
第1回の評判が良かったので調子に乗って2回目も書くよー。 このゲームの技術を支えているのは「エーテル」っていう粒子。 研究や開発をしている人に聞くのが良さそう、ということで聞いちゃいました。 ざらっとまとめると エーテルの材料は太陽からやってく…
さっきまで書いていた記事が吹き飛んだので書き直しー(泣 the 4th worldと同じ同調型のゲームだから、仮想情報空間と同じような感じで操作できるゲーム。 思ったとおりに動くのはやりやすいだろうねー。 だろうねーって言ってるのは私がキーボードとマウス…